概要

Roland SC-88,88Pro,8850のデジタル出力改造は情報があるものの、SC-55については情報も少なく誤った情報もあるため自分で調査した結果を残しておく。
特に使用されているDACがuPD6379であるという情報が散見されるが、少なくともインターネット上で確認できるSC-55の基板画像でuPD6379が使用されているものは確認できない。

SC-55基板

使用されている主要ICは以下。


DACに入力されている信号の解析結果

データフォーマット

ロジアナでの信号解析結果およびDACの仕様から32kHz 16bit 右詰めであることが分かる。

MCLK

DACがMCLKを必要とせず、MLCKになりそうな32kHzの倍数クロックが回路上に存在しない。

SRC,DITなどを使用する際はMCLKの生成が必要になる。

BCK

5MHz(20MHzの4分周)の断続的な信号であることが分かる。

SRC,DIT,DACによっては、LRCKの倍数になっていないBCKを入力しても問題ない場合がある(むしろ問題ない場合が大半か?知らんけど)。

LRCK

SDATAのLchデータ出力時にLowとなる約64kHzの信号であることが分かる。

信号の周期は66.66kHz(20MHzの300分周)のサイクルAと61.54kHz(20MHzの325分周)のサイクルBを交互に繰り返し、サイクルA,Bセットで32kHz周期となっている。

サイクルA,Bで信号のタイミングが異なるが、LRCKはBCK,SDATAと同期している。BCKが断続的なクロックになっているのはタイミングの辻褄を合わせるためと推測する。

サイクルA,Bで周期が異なるが、32kHz周期は変わらないことからマスタークロック20MHzで辻褄を合わせられるサイクルA,Bを定め、DACを64kHzの2倍オーバーサンプリング駆動させていると推測。

従ってLRCKの極性を反転させ、32kHzに間引くことでSRC,DITに入力可能なLRCKになる。

20MHzの300分周、325分周ができるのであれば、20MHzの625分周で32kHzを生成することも可能なはずなのに、なぜこのような複雑なことを行っているのか謎。


SPIDF出力改造

後日掲載予定

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